ど素人、黄表紙をよむ

独学で黄表紙を読み、悪戦苦闘の成果をさらす。恥知らずの野暮天ですみません。

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人間一生胸算用⑩

人間一生胸算用10

気は皆にそそのかされ、いよいよ気分まぐれ、 
女郎屋で大洒落にしゃれこむと、
みな、とてもの事に耳をもよびにやり、
面白いお目をさせようと人をやれば、目もさっそくやって来た。

口は、竹むらの上あんを取りにやって、しこたま喰らい、   
目は、廊下をウロウロあるいて美しいやつのすねの白いのをみて迷い、 
鼻は、留め木の香りにうつつをぬかし、
耳は、やたらに延長して芸者の妙音を聞いて楽しめば、
気は有頂天につるしあがって、さらに正体がなくなりました。

  目がいう。「アア、いずれを見ても、艶なそたちだ」

  太鼓持ち「お前さまは、上餡ばっかり召しあがりますね。
       上餡ばっかり五十六は、どうでございます」

  口 「あいたクチへモチとは、これが生写しさ。
     やつがれはおじぎなしに食べ、女郎の帯とシャレやす」

  (芸者)  わたしゃ おしどり よいわいな
         そうじゃ そうじゃ そのきでなければ
         はなされぬ ツンツテレテツトン
 
  耳 「ちっと、かんざしを貸しな。
    よく耳の垢をとって聞こう」

  気 「これ 気をつけろ。誰が俺の耳へ湯をかけた。
     寝耳に水と違って、起き耳に湯は難儀だぞ。
     耳をゆがいて、何に料理する気だ」



竹むらの上あん:吉原にあった上菓子屋「竹村伊勢」の上あん餅。
         竹むらの菓子は吉原名物にもあげられている。
         ちなみに上菓子は武家や金持ちのもので、餡菓子、餅菓子、煎餅などは高級な上菓子だった。
         (対して「駄菓子」「一文菓子」=庶民の日常のおやつ。干し柿、だんご、飴など)

女郎の帯:女郎の帯は前結びで結び目の巨大なので、
      おじぎして料理をいただくことができない。

留め木:香木のこと。これを燃やして衣服に香りを移しておくのが吉原のお洒落。


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野暮天のサチ

Author:野暮天のサチ
江戸のおもしろ文学『黄表紙』を読み始めて1年余り。
ど素人の独学なので試行錯誤中ですが、あまりにも面白いので、みんなにも「黄表紙読み」をお勧めしたいと思ってブログをはじめました。

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