ど素人、黄表紙をよむ

独学で黄表紙を読み、悪戦苦闘の成果をさらす。恥知らずの野暮天ですみません。

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人間一生胸算用⑦

人間一生胸算用07

ある日、無次郎は算用に心つかれて
すやすやと寝入ったが、
目・口・鼻・耳はよい機会と思い、
密かに気をいさめて申した。

 「つまるところ、我々あの様なシワい心に使われているゆえ、
  口はついに塩イワシの片身も食った事なく、
  目はついに乞食芝居の一幕も見ず、
  耳は"けがにへん"という三味線の音を聞かず、
  鼻は火打ち箱で休みその臭いばかり常々嗅いで、
  夢にもおもしろいめにあった事なし。
 
  このうえは、あの心めを追い出し、 
  この体を番頭もちになされたら、
  我々も少しは楽しみも出来ますのに」

…と、口をそろえ鼻をそろえて申しますと、 
さすがの無次郎の体も気は変りやすく、
グッとこの相談にのる。

心は手まくらをして寝ている。
手はまくらにされていながら、
こいつはおもしろくなく、こと洒落てみせる。

 口 「なんとこいつァ、いい法でごぜえしょう」

人間一生胸算用07 京伝アップ


 京伝「さてさて、笑止な事じゃ。
    この国も少し、みだれそめにしだわえ」



けがにへん:調べたが意味が分からなかった(怪我二遍?)。
        どなたか意味をご存知でしたら教えてください m(==)m

火打ち箱:火打石など火をつけるための道具をまとめた箱。
      硝石や硫黄などの臭いがしたと思われる。

みだれそめにし:百人一首に出てくる河原の左大臣の句をもじってる。
         河原の左大臣は恋で心が乱れたが、無状無象国は心をなくして国が乱れる


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野暮天のサチ

Author:野暮天のサチ
江戸のおもしろ文学『黄表紙』を読み始めて1年余り。
ど素人の独学なので試行錯誤中ですが、あまりにも面白いので、みんなにも「黄表紙読み」をお勧めしたいと思ってブログをはじめました。

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