ど素人、黄表紙をよむ

独学で黄表紙を読み、悪戦苦闘の成果をさらす。恥知らずの野暮天ですみません。

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心学早染艸(しんがくはやそめぐさ)⑧

心学早染艸08 右 床入り

かくして床におさまり、ほどなく女郎がきたので、
かの悪たましいどもは女郎の手を取って理太郎の帯をほどき、
肌と肌をぴったりと抱かせ、
理太郎の手をとって女郎の襟元へぐつとさしこむと
理太郎は白身がとろけるような心持ちになりました。

  あやしの「もっとこっちへ、お寄んなんし。おお、冷てえ」
    
  悪たま「がってんだ!がってんだ!」
    
  店の者「二ツ 今晩はこれきり ドンドンドンドン」
    
  悪たま「ちょっとしくじったか どうする するもんだ」

心学早染艸08 左 災と善たま

長い間、理太郎の体に住み
忠義を尽くしていた善いたましいは、
不意に悪たましいに襲われて縛られ、
理太郎の身がどうなったかと心配していましたが、
誰も縄を解いてくれる者もなければ、
ひとり気ばかりが焦っていました。
  
この場面には、忠五郎か伊三郎の
独吟のめりやす
あって、しかるべし。   

  善たま「俺が矢口の兵庫の女房、 
       信仰記の雪姫というものだ」



忠五郎か伊三郎の~:要するに、この場面ではしんみりした長唄が欲しいと言っている。  
           
忠五郎:長唄の松永流の流祖・松永忠五郎(初代)、
伊三郎:芳村流の始祖、芳村伊三郎(初世)。
      忠五郎と伊三郎は二人とも、江戸後期に活躍した長唄の名手。

独吟:三味線の伴奏のみで唄方が1人でうたう長唄。
     歌舞伎のしんみりした場面などで、役者の動きに合わせて効果的に演奏される。

めりやす:アドリブで長さが変わる長唄のこと。
       舶来のめりやす布は、伸び縮みすることから。

矢口の兵庫:歌舞伎『神霊矢口の渡』に登場する由良兵庫之助。
         敵の足利軍の謀略かかり、主君とともに自害した。

信仰記の雪姫:歌舞伎『祇園祭礼信仰記』に登場する姫。
           桜の木にしばられ、足でネズミの絵を描き窮地を脱することで有名。

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野暮天のサチ

Author:野暮天のサチ
江戸のおもしろ文学『黄表紙』を読み始めて1年余り。
ど素人の独学なので試行錯誤中ですが、あまりにも面白いので、みんなにも「黄表紙読み」をお勧めしたいと思ってブログをはじめました。

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