ど素人、黄表紙をよむ

独学で黄表紙を読み、悪戦苦闘の成果をさらす。恥知らずの野暮天ですみません。

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心学早染艸(しんがくはやそめぐさ)⑥

心学早染艸06


理太郎はその日、うたた寝から覚めて、
「今日は浅草観音にお参りに行こう」と思い立ちます。 
ところが観音にお参りしたその帰り道、吉原がつくづく気になりだします。  
  
  理太郎「吉原というところ、今まではふりむいて見る気もなかったが
       素見物するだけなら、さして銭もいらぬということだし、
       一度はみても構わないだろう」

…と思い、うかうかと土手八丁に差し掛かった。
これは悪たましいが体に分け入ったためである。
  
  理太郎 「いやいや…行こうと思ったけど、家で心配するだろうか。
        とはいえ、ここまで来たのだしちょっと見てこうか。
        やっぱり帰ろうか…」
   
いろいろ迷って、理太郎は土手を行きつ戻りつします。
これは悪たましいのせいなのでした。

心学早染艸06 悪たまども
  
  悪たま「コレサ、そんなきまりの悪い事をいいっこなしさ。
       われら、諸事のみこみだ。
       ちょっと吉原の粋なところを見な。
       サアサア早く、きなこもち
  
  悪たま「俺はおいはぎにあった宿引きという身だ」

  悪たま「ウゝウゝウゝ、しめたぞ、しめたぞ。
       ウゝウゝウゝ、そこだえ、そこだえ。
       おいらの身は人間の車をひくようだ」



素見物するだけなら~:当時、吉原は昼間の営業もあり観光名所になっていて、
                夕方前の花魁道中の見物だけして帰る人も多かった。 

土手八丁:別名、吉原土手。遊郭に通う客で賑わった。

のみこみ:合点している。分かっている。

さあさあはやく、きなこもち:きなこもちの売り声。きなこもちは冷めると硬くなる。

宿引き:宿の客引き。

※背景の屋根の上にあるモノについて
 背景の吉原の店々の屋根に、アンテナのような何かが載っています。
 これは天水桶(雨水を溜める桶)と、
 熊手のような形をした消化用具なのだそうです。
 江戸では大火災が多く、天水桶を備えるのは普通だったのですが、
 これを屋根の上に置くのは吉原だけだったとか。
 なので、見る人が見ればこの屋根の景色を見ただけで、
 「ああ、吉原だな」と分かる、ということのようです。

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野暮天のサチ

Author:野暮天のサチ
江戸のおもしろ文学『黄表紙』を読み始めて1年余り。
ど素人の独学なので試行錯誤中ですが、あまりにも面白いので、みんなにも「黄表紙読み」をお勧めしたいと思ってブログをはじめました。

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