ど素人、黄表紙をよむ

独学で黄表紙を読み、悪戦苦闘の成果をさらす。恥知らずの野暮天ですみません。

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桃太郎発端話説(ももたろうほったんばなし)⑬

13両方(小)

慳貪婆はある闇の夜に、鬼どもをともなって
正直夫婦の蔵に向かった。

慳貪婆にとっては、かつて覚えのあるわが郷なので、
簡単に案内して忍びこみ、
隠れ笠、隠れ蓑、打ち出の小槌、錦の巻物に、
さらに米や金をうばい、鬼ヶ島へ帰った。
まったく不敵な鬼どもである。

慳貪婆は欲ふかいので、
「まだ何か宝があるだろう」と気が後にひいて残っていたが、
正直夫婦の手飼いの犬に、喰い殺されるとはいい気味だ。

慳貪婆は、常に悪を好んだから、煩悩の犬に喰い殺されるのだ。
つつしむべし、おそるべし。


13婆と犬

  犬「なんでも六段目のきりには思い知らせてこまそうと思ったが、
    まったく、よい気味、よい気味、思い知ったか!
    わんわんわん わんわん」

後にいた鬼にもの問えば、鬼らはしらずと、シレッと通り過ぎる。

13鬼ども

  鬼ども「やれ 逃げろにげろ」
      「こう風呂敷包みを背負ったところは、
       風の神の紙くず拾いとみえやうがや。
      「"鬼の目にも闇だ"とは、このこってあんべい。
       暗いぞ、暗いぞ」
      「あの犬めは、大きなさまで吠えるわ、吠えるわ。 
       "荒神さまの、ほえるわ ほえるわ"と来たわ」

犬骨折って 宝とらるる」ということわざは、この時からはじまったのである。
 


【注】
・紙くず拾い:家々を回って紙くずを回収する仕事。今で言う古紙回収業。

・鬼の目にも闇だ:「鬼の目にも涙」と掛けている。

・荒神様の吠えるわ吠えるわ:「荒神さまの お絵ん馬 お絵ん馬」という売り声にかけて
              嫌みを言っている。

・犬骨折って宝とらるる:「犬骨折って鷹の餌食」という諺に掛けている。
               苦労して得た物を他人に奪われること。
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野暮天のサチ

Author:野暮天のサチ
江戸のおもしろ文学『黄表紙』を読み始めて1年余り。
ど素人の独学なので試行錯誤中ですが、あまりにも面白いので、みんなにも「黄表紙読み」をお勧めしたいと思ってブログをはじめました。

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